抗議声明 政府は沖縄の民意を尊重し、辺野古ボーリング調査を中止せよ

抗議声明

政府は沖縄の民意を尊重し、辺野古ボーリング調査を中止せよ

■米軍普天間飛行場の辺野古移設作業を停止するよう翁長雄志・沖縄県知事に指示された防衛省が、行政不服審査法に基づく対抗措置をとった。知事から作業停止を指示された沖縄防衛局は、3月24日に水産資源保護法を所管する農林水産省に不服審査請求をし、林農水相は30日、知事の指示を一時無効とする「執行停止」の決定書を県と防衛局に通知した。執行停止になれば防衛局は作業を停止する必要がなくなる。政府によるこのような民主主義や地方自治を否定する暴挙はけっして許されない。

■そもそも行政不服審査法の目的は国民の権利、利益の救済であり、国が審査請求することには疑問があり、法の目的を逸脱している。また、国の機関からの審査請求の採決を同じ国の機関が下すことは中立性の観点から問題である。
中谷防衛相は海底ボーリング調査を6月まで延期する考えを示し、「夏にも護岸工事を含む埋め立ての過程に着手したい」と記者会見で述べている。普天間基地の辺野古への移転は県民の民意に反するということは、先般の沖縄知事選、衆院選、名護市長選ではっきりと示された。基地移設反対は沖縄県民大多数の総意である。“沖縄にこれ以上の負担を強いるのか”という問題を、私たちは改めて真剣に受け止めなければならない。

■東アジアの安全保障、米軍の抑止力の必要性などについて米国を交えて根本的に議論し、普天間基地の廃止と、代替基地の必要性もないことを真剣に求めていくことが平和国家としてのわが国の立場ではないだろうか。「粛々と作業を進める」という立場の菅官房長官は4月5日の翁長知事との会談でも「辺野古移設は唯一の解決策」という姿勢を改めて示した。翁長知事が強調するように、沖縄の犠牲の上に成り立ってきた安全保障政策を根本から見直すために、まずは作業を即刻中止するべきである。

■我々は政府に対して沖縄の民意を尊重して辺野古ボーリング調査をただちに中止することを強く求める。

2015年4月9日
大阪府保険医協会理事会


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